「わかる」を「できる」に変える 実践経営パートナー

仕事は楽しいですか?

この週末の選挙は 投票率60%を下回ったようです。
「どこに投票したらよいかわからない」
というのが一番の理由なんじゃないかと思う。
社会や経済全体のことは分からなくても、一つや二つは主張があるでしょう。
その主張と同じ主張をしている人や党に入れれば良いのですよ。簡単ですよ。
しかし、「どういう未来を思い描くのか」そんな自由なことが現代では難しい。

自分の会社の社員に聞いてみてほしい
あなたは何のために仕事をするのですか?

何を実現すればあなたの人生は成功ですか?
この問いに正解はない。

先日、とある企業でこの問いかけをしたところ、
多くの社員から「実現したいこと」ではなく、
「将来の不安」が返ってきたことに衝撃を受けた。
何かを成し遂げたいために、働いているのではなく、
不安を解消するために、働いているのである。
そんなことで、挑戦的な発想など出るはずもないし、
いくら目標を掲げても、不安だから頑張るということである。(極論をすれば)

なぜそうなるのか?
「お金がないと満足いく生活ができないと思っている」
「将来お金が十分に残らないと思っている」
ということが主要な原因のように思われる。

『相対的貧困率』という経済協力開発機構(OECD)が算出している指標では。
(所得の分布において中央値(平均ではない)の半分の所得に満たない世帯の割合)
日本の相対的貧困率は年々増えてきており、16%になっている。
実際に、生活をするのにはその経済圏の物価が影響するので、
相対的に貧しいと生活が困難になる。もしくは、困難だと感じる。

これを解消するには、二つの方法がある。
多くのお金を稼ぐ術を身につける
少ないお金で生活ができるようになる
この両方を追求することが必要だというのが私の意見。

しかし、ここで問題が生じる。
人は生産者であると同時に一方では消費者であるということ。
つまり、より多くのモノやサービスを提供して多く稼ぐということは、
多くの消費を求め、より多くのお金が必要な社会にしてしまうということなのです。

また、アフリカの貧しい村の生活やフランスの貴族のような
自分の境遇とかけ離れた人たちのことは気にならないくせに、
同類の微差が気になるのは人間の性です。
隣の人が良いものを購入すれば、自分も欲しくなる。
結局、消費を促進する方向に進む。

かといって社会主義にしてしまうと、
働く意欲と生産性が抑えられ、これも上手くいかない。
人の「お金を稼ぎたい」という欲求は本能であり、無くすことはできない。
それでも、「少ないお金で生活できるようになる」ことが必要だと思うのは、
地球上のエネルギーには限りがあるから。
今後、生活を維持するために(=エネルギー入手のために)必要なお金の量は増える。
生活水準を落とすのではなく、お金への依存を減らさないといけない。

それは「どういう資本主義を選択するのか?」という問いになる。

ここは、それぞれが考えるべき点だと思う。
「それぞれの経済圏の自立度を高める」ということは絶対必要だと思うし、
「少ないお金でビジネスをできるようにする」なんてのも一つのテーマだと思う。
「贈与を促進するシステムを構築する」なんてことも大事になってくるだろう。

私が追求しているのは、
(組織で働く人々が)仕事そのものを喜びにできるようにする」ことです。
仕事を通じて何に貢献するのか、
目の前の自分の行っていることが何の役に立っているのか、
自分の仕事の価値を自覚し、その行為自体を誇れる組織を増やしています。

「この仕事は世の中で必要とされていて、
その道のプロフェッショナルとして生きていきたい」
という誇りある人間の集団になれば、
自ずと提供するサービスの品質は高まり、
結果として収益も上がります。

「消費ができること」や「お金を稼ぐこと」よりも、
「仕事の品質の高さ」や「顧客から喜ばれた量」
に価値を見いだしていかないといけないのだと思う。

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