「わかる」を「できる」に変える 実践経営パートナー

儲けもの

 毎月クライアントの社員の方々に
考えて欲しいテーマをレポートとして投げかけている。
時折、そのレポートに対する熱い反応が返ってくるのが嬉しいのだが 、
先週もありがたい返信があった。

「年頭にチームメンバーに対して発信した内容と  
 同じような内容が(私のレポートに)書いてあったので、  
 ついついメールをしてしまった」ということで、
本人の『年頭の挨拶』が添付されたメールが送られてきたのでした。

その内容をご披露することはできませんが、
リーダーとしての思いを、自分の言葉にし、
 発信することには非常に価値がある』と、 改めて感じる内容でした。

◆マネージャーが組織を動かし成果を出すためには3種類の仕事があります。

① (行動)直接自分が成果を出す
② (人間)部下や周囲の人間に関与をして成果を出させる
③ (情報)方針や情報を発信して多くの人を動かす


①はプレーヤーとしての仕事で、成果は(行動)から生み出されます。
世の中の多くのマネージャーは管理業務だけをしているわけではなく、
「やって見せる」ことや、チームの業績を直接上げるために
一部の役割を担っているものです。

②は部下を指導・育成し、成果を出す仕事や
周囲の人に対して働きかけ、行動を促し、成果を出す仕事です。
成果は関与を受けた(人間)によってもたらされます。
ミドルマネージャーには必須の仕事となります。

③は直接関与しきれない数の部下がいる場合や、
部下が少なくとも、顧客に対する情報発信も含めれば、
トップマネージャーに必須の仕事になります。
成果は発信した(情報)によって生まれてきます。

 

①~③は、どのポジションにいようが大なり小なりどれも必要です。
プレーヤーであろうと、自分の成果や考えを発信することでチームを動かしたり、
自分に協力してくれる仲間を増やすことができます。

そして、③の情報発信にはいろんな方法があります。
イベントを開催してプレゼンテーションをする場合もあれば、
会報や冊子、最近ではYouTubeなど発信する媒体も選ぶことができます。
阪神の監督はデイリースポーツの紙面でファンだけでなく
選手に対する情報発信を行っていますが、 メディアの活用もその一つです。

◆私自身が③を意図的に始めたのは、
クライアント企業に出向し、全国展開をしている変革プロジェクトを推進する時でした。
日ごろ接する機会の少ない人たちとも考えを共有していきたいと考えたからです。
これが思いのほか効果がありました。

継続的に考えを発信していくことによって、
日頃会わない人とコンテクストを共有することができ、
面談をした際に、話が早く進むということが起きます。

また、一度密度の濃い時間を過ごした人であれば、
大なり小なり私の意見に共感し、頑張るきっかけにもなっているようです。

時には、会ったことのない方から
「いつも読んでいます」 などと応援して頂けることも起きてきます。

◆「ビジネス本を読んだって実践してる人間なんて殆どいないじゃないか」
などと、単なる情報発信に懐疑的な人もいますが、
大事なことは数多く発信し、 多くの反応を受けることです。
行動を起きないという反応であっても、次の発信に繋がります。

丹羽宇一郎さんが伊藤忠の社長であったとき、
「毎朝本を読む時間を持て」と新入社員に話をされていたたいうことですが、
3人でも実行してくれる社員がいれば儲けもの」と考えられていたようです。

完璧を求めず、受け手を信認し、 自分の言葉を積み重ねていくことです。
その効果は、一朝一夕では現れません。
今からできることを積み重ねることが大事だと思います。

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