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組織マネジメントのコツ

この仕事をしていると、長期にわたって組織マネジメントをうまく遂行できる人と
そうでない人の特徴というものが見えてきます。
その特徴とは何でしょうか? 

 短期間だけうまくマネージできたとしても、
時間の経過によって、組織メンバーが成長し、
人員構成や環境が変わるとうまく運営できなくなることがあります。

例えば、管理職になりたての時は担当者との年代も近く、
同じ境遇にいる仲間としての影響力を発揮することができます。
しかし、いつしか担当者との年代に開きが出て、
共感できることが少なくなってくると、同じやり方では立ち行かなくなります。
役職が上がると権力によって人を動かせてしまうので、
担当レベルの内面から動かせていないことに気づきにくいのです。

 

 また、特定の環境では成果を出せるマネージャーであっても、
環境が変われば通用しないこともあります。
例えば、大企業で優秀な部門長と言われていても、
ベンチャー企業では上手く牽引できないとか、
ベンチャー企業でも事業会社では成功できる人が、
NPOのマネジメントでは通用しないといったことです。

では、様々な環境で組織マネジメントを上手く遂行できる人の特徴を
一つ上げるとすると何でしょうか?

 

それは、「素直さ」です。

「素直さ」といっても、上司や先輩の指示を鵜呑みにして、
(自分の考えも持たずに)遂行するという事ではありません。
自分と違う考えに出会った時に、
『いったん受け入れて咀嚼し、考え直してみる』
『考え直して可能性を感じたら、まず実行してみる(試してみる)』
という素直さです。
この「受け入れる素直さ(インプット)」「行動に移す素直さ(アウトプット)」
が環境の変化に対応し、必要なマネジメントを見つけていく原点になります。

如何でしょうか?素直になれているでしょうか?

「自分は素直になれている」と感じている方は注意をしてほしいと思います。
そういう方に限って素直になれていないものです。
自分の尊敬する人からのアドバイスを素直に聞くことはできたとしても、
自分の苦手な相手や尊敬できない相手からの意見に対して
素直になれないことは無いでしょうか?

また、意見だけでなく、目の前に起きた事象を
素直に受け入れられないこともあります。
「自分の発案した施策を投入した結果、
 売り上げが伸びないどころか逆に下がってしまった」
などという事象には目を覆いたくなります。
「施策は効果があったが、○○の要因で売り上げが下がった」
 などと総括をしてしまいたくなるのが人情です。
「人は色眼鏡で物事を見てしまう」「自分の都合の良い解釈をしたくなる」
ということを弁えた上で、冷静に分析し、次に活かせる人が「素直な人」なのです。

「素直でいることの難しさ」を分かっている人は、
「素直であり続ける」努力をしています。
ご自身のことを省みると、どんな工夫をしているでしょうか?

 感情のコントロールが難しければ、
質問(自問)によって思考をコントロールする方法があります。
工夫を持たれていない方は、次の質問を活用してみては如何でしょうか?

 目の前に起きている事象は自分に何を教えようとしているのか?

 これは意にそぐわない現象を目の前にして、
自分の学びに置き換える力を持った言葉です。
「自責で考えよう」と自分に問いかけるより、効果は高いと思います。

「時間をかけて作成した資料が消えてしまった」という身近な事象から、
「手をかけて育てた部下が退職願を出してきた」という重たい事象まで、
「自分にできたこと/できること」を見つけさせてくれます。
どうでしょう?最近起きた事象について問いかけてみると、何が言えたでしょうか?

人生を好転させるに、とても有効な質問ですので、
今日から活用してみて頂きたいと思います。

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