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一生使える技術を身につけよう② 〜 目的が見えるか?(1/2)

一生使える思考技術の一つ目は「目的・あり方」に目を向ける思考です。先日、ある営業組織の営業会議で、この目的の大切さに関する議論が起きました。
ある管理職から
部下にやってほしい事を伝える時、伝わったかどうかを何で判断していますか?」
という質問が出ました。

この質問文の「部下」を「顧客」「仲間」「友達」「子供」などと置き換えれば、
誰もが考えるべき問いになります。
どのような答えになるでしょうか?
質問を受けた管理職の方は、
「やってほしいこと」ではなく、
「なぜやるのか?」などの「意味合い」が伝わったかどうかで判断している』

という回答をされました。例えば、「新商品採用後のフォロー営業が大事」という話があります。
見た目の行動は「新商品の採用店に訪問をする」ということですが、
この取り組みを見ていると、その狙い(意味合い)は様々です。単なる「後戻り防止」のためだけに訪問をしている担当者もいます。
当然そういう狙いもあって良いのですが、
「採用して良かった(生活が変わった、商売がうまくいった)」など顧客の声を集め、
次の営業の武器(ネタ)にしていく、
という狙いを持って訪問をしている営業マンもいます。当然、狙いが違うので、準備の仕方、アウトプットが変わってきます。
武器を磨くことに繋げられた営業マンは成果を増やしていけます。
一方で、「後戻り防止のお願い」に終始をしている営業マンは、
やらなければいけない仕事が増えただけで、
「大変」な状況になりますが、発展性がありません。この管理職は、担当者が「採用後のフォロー営業をしているかどうか」
で伝わったかどうかを判断しているのではなく、
営業マンの「採用後のフォロー営業の狙いが求める水準かどうか?」
で伝わったかどうかを判断しているということです。このように目的は「やっていることの背後に透けて見えるだけで、
ほとんど目に見えない曖昧なもの」です。

ここに落とし穴があります。
目に見えるものに目を奪われて、
その本質・意図・狙い・意味合いに目を向けないと、
同じ努力をしても無駄なこと、

逆効果になることをしてしまうことがあるということです。

一度身についてしまえば当たり前にできることですが、
自転車に乗れない人が自転車に乗ることを難しく感じるように、
「どうしたら目的が見えるのかもわからない状態」であることが多いものです。改善するための最初の一歩は、
「この目的は何か?」と一つ一つの仕事のあり方を仲間と議論することです。

(つづく)

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