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対峙の文化と階層文化

Erin Meyer の「The Culture Map」 のコラムが好評でしたので、
もう少し紹介させていただきます。

まずは「対峙の仕方」に関する文化の違いです。

Confrintational とは「 対立を辞さない文化」で
Avoids confrontation 「摩擦を回避する文化」ということです。

日本は摩擦を回避する文化的特徴を持っています。
そういう民族が「対立を辞さない文化」で仕事をすると、

「意見に対する反対」を非難と捉えてしまうことがあります。
ここは、「反対意見を議論における興味の現れである」と捉えることが必要です。
感情的な表現と対抗姿勢を区別するということも重要でしょう。
情熱をもって話をするということは反論とは同一ではありませんし、
熱く反対意見を述べて来る相手に対し、感情的に対抗姿勢を示す必要はありません。

 一方、「対立を辞さない文化」で育った人が
日本の企業で仕事をすると、「摩擦を回避する文化」に戸惑うかもしれません。

そういう人たちにアドバイスをするならば、
「実際のミーティング前にチームメンバーと接触し、1対1で反対意見を表明しておくこと」
「断定的な表現を避けること=いくつかの不確定表現法を活用する』
 (恐らく、多分、分かりませんがどう思われますか?)
などがあると思います。

どちらの文化が良いという話ではありません。
「相手を理解する」とは、
「文化的な違い」を理解することです。

同じ国民であっても、
育った環境によって、文化は異なってきます。
自分の特徴を知り、相手に合わせることができると、
コミュニケーションの幅は広がります。

 

もう一つ紹介すると、「平等主義文化」と「階層文化」の違いです。

Egalitarian が「平等主義文化」で
Hierarchical が「階層文化」です。

この図では、日本は「階層文化」だということになります。

「平等主義文化」では、
組織内において自分より上層部の者に対し反対意見を表明する事さえも良しとみなされます。
明確な理由がない限り、Eメールでは、上司をCcにいれませんし、
ミーティングは組織の階層に関わらずキーとなる関係者だけを集めて開催します。
組織階層(役職)によって座席の配置を決めることもありません。

一方、「階層文化」では、
他者への挨拶や席順を決める際などに、役職を一つの行動指針とします。
また、同等以上の役職者の指導のもとに行動することが適切とされています。
チームは実際に行動に移す前に上司の承認を必要とし、上司の意見に従います。

日本にはこのような文化的背景があるので、
上司への報告を求め、意見が違う場合はなかなか認めない、とか
「上司を立てろ」と、役職によって威厳を保っているような環境で、
「主張をしろ(意見を言って)」「主体性を持て(自由に挑戦しろ)」と求めても、
チームメンバーの行動はなかなか変わりません。

どのような行動をした時に褒め、評価し、
どのような行動を是正、指導するのか、
幹部が「ありたい組織文化」を思い描き、
一貫した行動で伝えていくことが大切です。

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