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鼎の足はなんで3本?

人間が三次元の世界に住んでいるのは
人の脳が三次元でしか物事を認識できないからであり、
4次元から先の世界は存在したとしても
多くの人にとって難解で訳のわからない世界になる。
逆に言うと、人間の脳みそは3つの軸で物事を考えるくらいには優秀だということ。
 

昔からある言葉に
「三方よし」とか「心技体」とか「ヒト・モノ・カネ」とか
3つの軸で考える言葉って多いんですよね。
この辺りは「五行思考」とか他の数字もあるよ、ということになるのですが
時代を超えてよく使われているものには「3つ」が多いのではないでしょうか?
(時間のある方、どなたか検証していただけるとありがたい)

ということで、今回は『物事を考えるときに、「白か黒か」ではなく、
三つ目の軸を探してみると新しいことが見えるかもしれない』
を考察してみます。


人を動かす時に必要なものは、「情か理か?」 という視点があります。
情に強いマネジャーも多少はロジックが無いと人は動かせないし、
ロジックだけで組織を率いることは至難の業でしょう。
自分の強みは大事にしたほうがよいが、
弱いほうも鍛えておかないと乗り越えられないことも出てきます。

この場合、3つ目の要素って何が考えられるでしょうか?

哲学者アリストテレスは、説得力の要素として、
「ロゴス(論理)」「エトス(倫理)」「パトス(感情)」の3つを上げています。
「エトス」は倫理、品性、人柄、精神、気風などを表し、
いわば情報の送り手に信頼性を意味します。
「何を言うか」「どんな調子で言うか」という以前に
「誰が言うか」によって 人が動くかどうかが変わってくるということ。

なるほど、さすがアリストテレスですね。
この視点があれば、「自分が言葉そのものになること」の大切さが分かります。


もう一つ事例を挙げてみます。
営業のプロジェクトを推進していると、
「訪問の量を増やせば、質が落ちる」という話がよくでてきます。
実際は、「訪問の質を高めれば、同じ交渉に必要な時間が短くて済むので、
多くの顧客に訪問できる」ことになるのですが、
量か質か二択で考えていると、イメージがわかないようなのです。

そこで、「会う間隔(頻度)」という軸を加えてみるとどうでしょう?
「顧客との間にある空気の密度」=
「顧客と会う回数」×「1回の面談のクオリティー」×「会う間隔(頻度)」
なんて公式で、なんとなくイメージできるようになったりします。

 

第5話 ちょっと自慢してよいですか?』で紹介した
『CS(顧客満足)=ES(従業員満足)=収益』も、
3軸で考える効果のある事例ではないでしょうか?
「収益か顧客か?」で答えが出ないとき、
「従業員にとってどちらが良いか?」という視点を持つことで答えが出たりします。

人と人との関係においても、二人の間の問題を取り扱うのではなく、
外部の問題を二人で一緒に解決するうちに解消したりします。

政治の世界でも二大政党というのはよろしからぬ状態なのです。
「みんなの党」に期待が集まるのも自然の摂理かもしれません。

鼎の話はどこへ行ったんだ?と言われそうですが、
第3の視点を持つ価値を見直してみましょう
ということで今回は終了したいと思います。

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