「わかる」を「できる」に変える 実践経営パートナー

人が育つ環境②

承前

人前で話をするとき緊張するのはなぜでしょうか?
シンプルな法則があります。

それは、「自分のことが気になっている」からです。
うまく話せているかな?
と自分が失敗しないことに関心が向くと緊張します。
そういう理屈が分かっていても
聴き手の眉間にシワがよっていると「大丈夫かな?」と思ったり、
話に詰まってしまうと「しっかりしなきゃ」
とすぐに自分の見られ方に関心がいってしまいます。
そうならないように結果に執着するのをやめ
ある意味開き直り、
「やるべきこと(パフォーマンス)」に集中する方が結果が良くなります。
仕事の中で目標設定をして達成に向けて努力するときも同じです。
「達成できなければどうしよう」
と失敗を気にさせたらパフォーマンスが落ちます。
会議で報告をさせるときも同じです。
「指摘をされたらどうしよう」
 と防衛本能が働き、縮こまっている人から良いアイデアは出てきません。

シカゴ大学の心理学者 ミハイ・チクセントミハイ氏のフロー理論にも通じます。
「フロー」の状態とは、一つの活動に深く没入し、
他の何ものも問題とならなくなる状態、のことです。
スポーツの世界では「ゾーンに入る」などと表現されています。
仕事においては、寝食を忘れて仕事に没頭している状態です。
その状態に入るためには
「簡単ではないが、達成見込みの感じられる課題に挑戦している」
「自分のしていることに集中できている」
「直接的なフィードバックを得られている」
などが条件になります。
結果にとらわれず「自然体」で自分のなすべきことに集中している
状態を作れば、良いパフォーマンスが出せるということです。
ここでマネジメントの役割が重要になります。

①認められている感を持たせる

「できないやつ」と思われてしまっていると、
自分が「できるやつ」 であることを証明する必要が出てきます。
ここでだいじなことは、
全てを認められなくとも、一部で良いということです。
「スキル」はなくとも「仕事の姿勢」や「ポテンシャル」が認められたり、
「気配り」ができなくとも「集中するとすごいパワーを発揮する」
「不器用」でも「修正能力が高い」

など、人の特徴の捉え方次第でなんとでも認める部分は発見できます。

②計画を立てる

「計画通りにいかないから」と計画を立てない人がいます。
 しかし、計画を立てるのは「計画通りに進める」ことが目的ではありません。
仕事が溢れかえってパニックに陥っている人には
「やるべきことを紙に全て書き出させる」
という手法が有効であったりします。
書き出してみると、「これだけのことをやれば良いのか」と
心にゆとりをもてるものです。
見通しをよくし、軌道修正力を高め、成功確率を高めることが「計画」の目的です。
やるべきことがはっきりしているほど、
やるべきことに集中しやすくなります。
③フィードバックは「結果」ではなく「プロセス」に
結果を出せなかった部下に対し、
「なぜできなかった?」と質問をしてしまうと 
結果の責任が人にあるように感じてしまいます。
「何が足りなかった?」「どういうやり方が良かっただろうか?」
などと、プロセスを再考するスタンスが大切です。
貴方のチームスタッフは
「自然体」でなすべきことに集中できているでしょうか?

つづく

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