前回は問題解決のコツ「分解をする」を紹介いたしました。
それに関して、演習をしてみましょう。
この案内文を改善するアイデアを数多く上げてみて下さい。
少し立ち止まって考えてみて頂きたいと思います。
何個くらい改善のアイデアが思い浮かんだでしょうか?
ここでコピーライティングの基本的な視点を使ってみましょう。
このような集客を目的としたコピーライティングでは、
顧客の「読まない壁」「信じない壁」「行動しない壁」を越えることが必要になります。
社会は広告で溢れています。電車に乗っていても情報の洪水に溺れそうになりますし、
ネットにおいても記事を読まそう、
広告を読ませようと人の時間の奪い合いになっています。
その中で人に文章を読んでもらうためには、
「読まない壁」を超えて「読んでみよう」と思ってもらうことが必要になります。
キャッチーなタイトルにしたり、写真など視覚的に訴える工夫をしてみたり、
そもそも読み手の習慣にあった媒体を選ぶことが必要になります。
上記の設問ではターゲット顧客が曖昧ですが、ターゲット顧客を特定し、
ターゲット顧客に刺さるようにデザインされていることが最も重要な要素でしょう。
時事ネタなどと結びつけること、身近な話題で表現することなども検討すべきです。
次に「信じない壁」というものが存在します。
いくら「美味しいですよ」と売り手が言ったところで、
「宣伝(誇大広告)」だと受け取られれば、本当に美味しいとは思ってもらえません。
第三者の声(口コミ)などで、「どれくらい美味しいか」を表現してみる。
「健康に良い」というだけでなく、権威ある人の推薦文や科学的根拠を示す、
などをすることで信頼性を高めることが重要になります。
「読まない壁」をしっかり超えることができていれば、
少々情報量が多くても読んでもらえます。
読んでもらうことばかり考えて、情報量を減らし、
必要な情報まで削いでしまうと、相手の行動を起こすことはできません。
最後の「行動しない壁」も見落としてはいけません。
せっかく訴求力のある広告なのに、行動の起こし方が示されていないので、
もったいない広告もよくあります。
今回の設問ケースでは、
電話でしかアクションを起こせないのが苦戦をしている原因かもしれません。
ネットやFAXでの応募をできるようにしたり、
限定性・希少性を出す(先着何名、今回限りの開催、残り何席)ことも有効な方法です。
このように問題(顧客が集まらない)を分解し、改善できることを考えれば、
可能性を発見し、「できそうだ」を高めることができます。
「問題解決が難しいな」「行き詰まったな」と感じた時には、
分解をしてみることで打開策が見つかる場合があります。
最初は難しく感じるかもしれませんが、徐々にできるようになっていきますので、
最初から完璧を目指すのではなく、まず図を描いたり、ノートに書き出したり、
試してみてほしいと思います。
しっかり取り組みたい方にはロジックツリーをお勧めします。
ロジックツリーは課題を分解・整理することで
可能性を感じられるようにするための道具です。
特に、チームでの問題解決を進める時には有効です。
「分解」の腕が上がると、問題を相談する力も上がります。
組織での問題解決力は、リスクの段階(早いタイミング)で
「こうやって解決しようと思う」という案を共有できるかどうかで変わってきます。
解決までの道筋が見えないと相談をしにくいものですが、「分解」をし、
自分にできること、誰かの協力を得ること、できないこと、
これから調査をすることなどを整理できれば、相談をしやすくなります。
このように、自分の仕事の進め方や置かれた環境を振り返り、
力を発揮するために必要なことを考えることを
「ダブルループ学習」と言います。
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