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世界最高が当たり前

先週、クライアント企業の社内で営業部門の幹部が
自社工場を見学するという機会があった。
その工場は世界最高の記録を持っているのだが、
その記録を更新する機会に全員で立ち会おうという企画であった。

ものつくり産業の地位低下が著しい(と私は感じている)。
松下幸之助さんが「水道哲学」を提唱したのは今も昔。
モノが溢れているので、モノをつくることに対する価値が相対的に低下している
ということだと思う。ある意味当然の結果である。
身近にある素晴らしい技術にもありがたみを感じにくい世の中になってきた。
「あれがない。これがない」という不平不満が先に立ち、
感謝の気持ちが失われている感は否めない。

今回、最高値更新の現場に立ち会い、
そのありがたみを再確認できたことは非常にありがたいことであった。
その製品は日本人であれば、ほぼ100%恩恵を受けているが、
殆どの人は気がついていないという種類の製品である。
記録を更新している本人たちは
「あまり実感はないですね。次どうするかですよ」と語っているが、
過去の歴史が蓄積したノウハウは簡単なものではない。

工場の変革プロジェクトを実施して思うことは、
いくら機械化をしても「人にしかできない仕事はなくならない」という実感である。
いくら機械がモノを製造しているように見えても、
原材料は一律ではないし、気温や環境も一定ではない。
機械だって劣化をするし、技術は日進月歩である。
新たな挑戦をするチームを構築するのは人であるし、
後進を育て、技術を伝承するのも人である。

いくら世界最高であっても、
その最高品質が他の商品よりも顧客に恩恵をもたらさなければ意味はないし、
ちゃんと違いが認識されなければ売れないということになるが、
今回お伝えしたいことは、
今の当り前のことは昔から当たり前ではない
「 当たり前の仕事と思っていることも、第三者から見たら素晴らしかったりする
ということ。

自分の会社の素晴らしさに気がついていない人は結構多い。
現状に甘んじてはいけないかもしれないが、
素晴らしいことは素晴らしいことだと感謝して、
また次の一歩を頑張っていきましょう。

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