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ブレイクスルーのヒント

もうすぐ4月になると新人社員が入ってきたり、
人事異動によって新天地での仕事がスタートする人も多いでしょう。
そんな環境が変わるときはブレイクスルーのチャンスです。
ブレイクスルーのヒントを一つ紹介してみます。

今まで当たり前だと思っていたことが
何かのきっかけによって、新鮮に見えた経験ってありませんか?
環境が変わっただけで、新鮮に見えることもあれば、
ある対象について深く考えることによって、
その対象が、まるで初めて見るかのような新鮮さを取り戻すことがあります。

例えばこういう事です。

誰もが人生の中で目標を設定して、挑戦した経験を持っています。
それを達成した経験であれ、達成しなかった経験であれ、
その経験から目標の立て方について、自分の「あるべき姿」を持つようになります。
そういう土壌があるがゆえに、組織の中で昇進し、チームを率いる際に
自分が良いと考える目標設定の仕方をしています。

しかし、「目標をどう立てるべきか」について考え直すとどうでしょう?
目標を設定する目的は、
「チームメンバーの力を最大限に発揮できるようにする」ことです。

その目的から考えて、
目標の進捗の追い方や、結果の振り返り方、

更には組織の存在理由にまで遡って捉え直す必要があります。

◆先週、あるマネージャーの問題解決をしました。
その方は、チームメンバーに仕事を与えることを躊躇していました。
「仕事のゴールを決めさせるのは、メンバーのストレスになるのですべきではない」
という考え方をされていました。
個人別に目標も与えていません。

しかし、こんなデータがあります。

売上を20%アップするという目標を立てた人50人と、
全く目標を立てなかった人50人では、
実際に目標を達成した人が、目標設定者の中で28人、目標非設定者では15人。

また、達成した数字に対して「やったぞ!」と満足感に浸れた人は
目標設定者の28人中28人に対し、
目標非設定者では15人中8人であった、ということです。

28人に対し、8人では3.5倍の開きがあります。

これは一例かもしれないですが、
目標をうまく活用できればチームは活性化され、実力を大いに発揮します。

◆このマネージャーは「メンバーは仕事を喜んで行っていない」
という前提で物事を考えていました。
「労働は苦役」という考え方です。

しかし、「人は自分の能力を発揮できることに喜びを感じる」ものです。
これは人間の本質です。
チームを組んで何かを目指すとき、
期待される役割があり、
その役割を果たすためのチャンスがあれば、
人は困難な状況でも頑張れます。

そうなっていないのは、マネージャーの仕事観であったり、
それまでに培った常識など余計なものに捉われているからです。
リーダーが目を開かせることで可能性は広がります。

新しい手法を取り入れる必要はありません。
今使っている道具や手法をもう一段深く考えてみることです。
「今まで知っていると思っていたこと」に新たな視点を加えることです。

言うなれば、「既知の知識の未知化」です。
これがブレイクスルーに繋がります。

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