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より道

先日、重松清さんの「あすなろ三三七拍子」を拝読した。
サラリーマン課長が、突然大学の応援団に赴任させられ、
団長として団を復興していくという、ありえない設定の物語ですが、
なぜか身近で、そして共感でき、時間を忘れて読みふけってしま
った。

で、ふと思ったのよ。
現代の社会人には、こんな「より道」の機会が必要なのではないか?
 

人生においてより道の機会ってどれだけあるだろうか?
安定した生活を送っている人にとってより道なんか必要ないと言う人もいるけれど、
それでも「より道」 をしながら人って成長して
いくんじゃないかと思う。

社会人にとって「より道」といえば、
海外留学や研修旅行ではないかと思う。
こんなデータもある。
http://www.huffingtonpost.jp/tabizine/post_7543_b_5288341.html
なぜ、海外生活が思考力を高めるのか?
そこを紐解けば、人生に役立つ「より道」の要件を見つけられるはずだ。
「あすなろ」を読みながら考えてみた。 

①行ったことの無い土地によること

未開の地に足を踏み入れると、単純に脳が活性化する。
 主人公は、大学の応援団という未開の地に足を踏み入れた。
 そこにはそこの習わしがあり、過去の常識とは違った常識の中で
生き残る術を探していかなくてはならない。
自分の基準やルールは役に立たない。
脳をフル回転させ、現地のルールやその背後にある原理原則を掴み、
振る舞い方を変えていく訓練ができる。

② よった先で遭遇した異人と協力して困難を乗り越えること

自分の振る舞いを変えるだけでなく、
価値観の違う人間と協力し、動かしていくことが求められる。
45歳のおじさんが、大学生とチームを組む。
自分の常識を押し付けても動いてくれないが、
自分を認めさせて動かすことも必要になる。
相手の良い点を見つけ、相手の大事にしていることを認めること。
そういう人間の幅を広げることができる。

③よった先で必要性を感じないことにも没頭してみること

過去に経験をしたことが無いところまで追い込まれることで、
今までにない力を発揮したり、
今までにない自分に気がつくことができる。
主人公は45歳であるが、喉を潰して応援をし続ける場面がある。
必死に目の前の課題をクリアしていくなかで、
「応援する」ということの本質に気がついていく。
そして、思い通りにできないことのなかで、
自分にできることや自分の中にあるものを発見し、
自信をつけていく。
「なんで俺こんなことやっているのだろか?」という
わけの分からない状態を潜り抜けないと気づけないこともある。 

心の赴くままにより道しまくること

決して、応援ばかりをしているわけではない。
OBと酒を酌み交わしたり、
自分メンバーや世間を見つめ直す時間を持っている。
そもそもより道なのだから、目的一直線では寄ってないも同然。
死ぬこと以外はかすり傷だと思って、 
その場を楽しんで、心の赴くままに進んでいくこと。

そのような場を作れないかと真剣に思案中。
そういう場があれば、企業は価値を感じて人を送りこむであろうか?

 

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