「わかる」を「できる」に変える 実践経営パートナー

「気づき方の違い」を自覚していますか?

人が成長するには、「新たな経験を得ること」が必要条件で、
そのために「新たな取り組み」「新たな行動」「新たな工夫」
を加えていきましょう。

というのが前回のコラムのメッセージでした。

しかし、「新たな取り組み」「新たな行動」「新たな工夫」を行っているのに、
成長できないケースもあります。
どのような原因があるでしょうか?


成長できないケースを一つあげると、
新たな行動をとり、新たな事象が起きているのに、
本人の捉え方によって「新たな経験にならない」ケースです。

どういうことか営業の事例をあげて説明してみますと、
『粘り強く顧客を訪問する中で、
 「顧客の家族のことや趣味や関心についてあまり分かっていない」
 ということに気がつき、

 顧客のことを知るための質問を投げかけました。
 すると、顧客との共通点が見つかり、話が弾み、関係が深まりました。
 その段階で商品の話を出していったところ、話を聞いてもらって成果を出せた』
という事例を経験したとします。

この経験を振り返って、「何が良かったのか?」を考えた際に、
「やっぱり粘り強く訪問することが大事だな」という解釈をしてしまうと
(蓄積している学びがそこだけだとすると)、
この営業マンが次から頑張る行動は
「粘りつよく訪問をすること」となります。

「顧客のことを知るための質問をする」
「質問の仕方としてこんな工夫をする」
「共通点を見つけるためにできる工夫を考える」
といった観点は出てきません。

「新たな気づき」が得られていることが大事なポイントです。
「やっぱりそうか!」という気づきと、
「そういうことなのか!」という気づきでは質が違います。

人は認識している世界が全てです。
客観的にどんなに良い活動であっても、
本人が自覚していなければ再現できません。
逆に、この振り返りを頑張れば成長速度は格段に上がるということです。

良い行動に関して、「やっぱりそうか!」と、
その必要性に対する認識が深まることはとても大事なことですが、
それだけで殻を破っていくことはできません。
「そういうことだったのか!」という発見が得られるように
しっかり振り返ることも大事なことです。
時には、第三者の意見を活用し、
自分にない観点を取り入れていくことも有効です。

また、上司の役割には
「部下が気づいていない良さを気づかせる(意味づけする)」

ということがあります。
部下に新たな行動をとらせるだけでなく、その結果を一緒に振り返り、
血肉に変えるマネジメトをしていくことが大切です。

SNSでフォローする