フレームで考えるとは?

「意図を持って行動している」人は、自分の行動の何がよかったのか、
どこが悪かったのかを振り返ることができます。
自分の行動を分析できれば、それを次の行動に活かすことができます。
「意図を持たず、その場その場で行動している」人は、
自分の行動から学ぶことができないので、腕が上がっていきません。

具体的な例を上げてみます。靴屋さんの販売員のケースです。
 
接客の方法は無限にあると思いますが、ここでは、
「はじめてお店を訪問したお客さまへどのように接客をするのか」
について考えてみます。

お客さまによっては、
店員さんから話しかけてもらえる方がよいという人もいます。
けれども中には、質問するまでは放っておいてほしいと思う人もいるでしょう。
お客さまがどのようなタイプの人なのか、
一見しただけで分かろうとするのは難しいかもしれません。

けれども、普段から意図を持って、お客さまを観察しタイプ分けをし、
そのデータを蓄積している人は、
ある程度、見抜けるようになります。

ここで重要なのは、あなたが「違い」を識別するための
思考の枠組み(フレーム)で考えているかどうかなのです。

例えば、「お客さまのタイプを分類したフレーム」を考えてみましょう。

お客さまの中には、いろんなタイプがいます。それを二つの軸で考えてみます。
 ・今すぐ靴が欲しい人と、ただ靴を見ているだけの人
 ・靴が好きでこだわりがある人と、靴に関して詳しくない人

この二つの軸を十字に置いて整理してみると、
お客さまは、おおまかに4つの場所に分類できます。

接客マトリックス
今すぐ靴が欲しくて、こだわりがある人と、詳しくない人。
ただ靴を見ているだけの、こだわりがある人と、詳しくない人、
これが、
「お客さまのタイプをマトリックスに分類したフレーム」の一例です。

今すぐ靴が欲しいけれど、靴に関して詳しくない人には、
いろいろな助言をして、靴を選ぶ手助けをするのが適切でしょう。
ただ靴を見ているこだわりの強い人の場合、もしかしたら今シーズンは、
他店を紹介した方がよい場合もあるかもしれません。

このフレームがあると、今まで接客したお客さまの特徴、言動などから
「この人はこのタイプなのではないか?」と事前に想定をしてから接しやすくなります。
お客さまとの会話を始めた時に、
「かなり右上にいるからしっかりお薦めをお伝えしよう」
「どちらかというと左下なので、マニアックな靴の話題で仲良くなろう」
などと狙いを持った接客ができます。

その蓄積があると、タイプに合わせて
最も成功に近い接客をすることができるようになっていきます。
想定を間違った時も、自分の置かれた状況が理解できるので、
接客に対してのストレスも減ります。

たとえ失敗したとしても、それを経験値とすることで軌道修正しやすくなるのです。

ところが、そもそもタイプ分けのフレームをしっかり持っていない場合、
相手の様子を観察できたとしても、相手に合わせて
どのような接客をすればよいかの判断ができないので、
トンチンカンなことを言って
お客さまにがっかりされてしまうリスクもあります。
たとえうまくいっても、
その経験を次に活かすことができなければ、とてももったいないことです。

「相手のタイプに応じで接し方を変えていますか?」と問えば、
殆どの販売員は「やっています」と答えるでしょう。
それを意図的に行っているかどうかに大きな違いがあるのです。
相手のタイプ、目的、要件に合わせて、的確な提案をするために必要なのは、
相手の気持ちを慮るという曖昧なことではなく、
(もちろん、接客に関わらず人間関係の大切な基本要素ではあるのですが)
意図して、フレームをしっかり持つということなのです。

もう一つ靴屋さんの例で、「接客の流れのフレーム」について考えてみましょう。

意図を持って接客しようとしている人は、
お客さまがお店に入ってきた時、よく相手を観察しています。
お客さまがこちらに目も合わせない状態なのか、
または、こちらを見て会釈をしたり、にこっと笑いかけてくれているのか、
こうしてまずは、どのタイミングで、
一言めに何を言えば、よりお客さまに響きそうかを考えます。

たとえば以下のようなことも
思考の枠組み=「お客さまに対応する時の流れのフレーム」です。
 ・タイミング
 ・一言め
 ・展開=お客さまのツボ

お客さまの様子を見て、声をかけるべきか、かけざるべきか、
靴をすすめるべきか、話を聞くべきか、
流行りであることをアピールするのか、希少性を伝えるのか、
その判断基準をしっかり持って対応することが大切なのです。

このように、相手のタイプの分類、相手へ声をかけるタイミング、
その一言めは何にするか、その後の展開、
と明確な「思考の枠組み(フレーム)」を持っている人は、
自分でその場の流れを作り出すことができます。

自分の言動に意図があるので、成功した場合も失敗した場合も、
タイミングがよかったのか、最初の一言がダメだったのか、
展開で失敗したのか、
振り返って何がよかったのか、何が悪かったのかを分析できる。
その経験を次に活かすことができるわけです。

「思考の枠組み(フレーム)」が身につくと、
何を持ってお客さまに「いいね」と思ってもらえているのか、
何を意識することでお客さまのツボを捉えることができたのか、
その場の状況をより明確にわかり、
自分のすべきことが「ピンとくる」ようになります。

この「思考の枠組み」は、はじめのうちは、
すでに世の中にあるものを使用すればよいと思います。
慣れてきたら、自分で「思考の枠組み」を作ることで、
「見えない世界を見る」ことが徐々に自分でできるようになっていきます。

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