横展開

企業変革の一つの手法として、
パイロットプロジェクトを成功させ、そのノウハウを横展開するということがある。
経営の教科書などには簡単に書かれていることだが、
そう簡単にはいかないのがこの「横展開」というものである。
これは部門間の横展開だけでなく、世代間の引継ぎにおいても同じことが起こる。

横展開が難しい理由は一つではない。
◆自分で参加して生み出したノウハウではないから大事にしないケース。
◆危機意識が低く、今までの手法を変えたがらないケース。
そして、
◆真面目に展開しようとしているのに上手くいかないケースもある。


職業柄「どうすれば良いですかね?」という質問を受けることが多いが、

この質問をしてくる人には二種類ある。
自分の判断を放棄して、成功する方法を知りたがっている人」と
自分で判断するために、参考のために意見を聞く人

前者のようなタイプは表面的な横展開に終わることがよくある。
 持論があるように見えて、自分で考
えた理屈ではないので、その理屈に固執する
「教科書にはこう書いてあった」
「○○さんがこう言っていた」 と言われても、
(言わないまでも、そういう背景が見え隠れする)
「So what?」なわけなんです。

自分で考え出した理屈であれば、前提条件が違えば意見を変えることは割とできる。
「自分の考えていた前提とここが違うね。私が間違っていたよ」と言えば済むことだ。
社長の指示であろうが、現場の事情が違えば、その事情を元に意見をすれば良い。

20代、30代の若い世代であればまだ話は分かるが、
企業の中核をなす人から「正解」を求められると、
「正直、大丈夫かな?」と心配になる。

数学でいえば、「公式」を教わったものの、
その「公式を導き出すための原理原則」を学べていないので、
その現場の環境に合わせた工夫が考えられないということ。

そうなってしまう理由は理解できる。
右へ倣えの教育を受けてきて、企業に入ってからも
上司の指示に従うことで評価されてきた
先輩の手法を真似していれば成功できていた」ということなのでしょう。
バブルが崩壊したのは、もう20年も前の話になるが、
三つ子の魂百までとはよく言ったもので、
若い頃の仕事の習慣が抜けないのでしょう。

今の時代に「そろそろ気が付かないといけないよ」と言いたくなりますが、
企業においてはこういう存在は貴重な存在だったりします。
上司からすれば使いやすいし、本人はいたって真面目な人が多いので
日本の文化として「そういう人を評価しないと悪者になってしまう」などの理由があり、
企業の中で良い成績を頂き、本人も課題を認識できずにいるなんてことはよくある。

そういう人はそれなりのポジションについていれば問題ないが、
組織を率いて新たな挑戦をすべきポジションに上がると始末が悪い。
これは、大企業のマネージャーだけの話ではなくて、
経営者であっても同じ課題を抱えている場合がある。
業界の成長の波に乗って成長できる
類似企業の模倣戦略で勝負をしていける
先人の恩恵で事業運営を続けていける
などの環境に長くいると企業としては非常に危険。

そういうことから、私の提供している
「変革マネジメント プログラム」においては、
原理原則を元に自ら考えることを求めています。
時には、定石や法則なんてものも示したりしますが、
その知識が企業を救ったりはしません
どのような知識も使いこなせるまで、何度も試さないといけないのです。
新しい知識を詰め込む前に、現場や顧客の声を聴いたほうが良い場合の話でした。

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