この正月に10年ぶりくらいにスノーボードをしました。
アメフトの試合中に靭帯を切ってしまい、それを機にやめていたのですが、
1日自由時間ができたことで山に向かったのでした。
結果はどうであったかというと、以前と同じように滑れたのです!
久々の雪山でとても楽しい時間を過ごせました。
一方で、当時スノーボードより何倍も多くの時間を費やしていた設計はというと
その知識はかなり失われてしまっています。
この差はどこから来ているのでしょうか?
沖縄古伝空手の師範 宇城憲治氏は、これを「身体脳」と表現されています。
「体に覚えさせれば体は勝手に動くようになる。
自転車に乗れるようになれば、しばらく乗らなくとも乗り方を忘れないのと同じように
身体脳で覚えたことは生涯忘れないということです。
宇城さんの逸話の中で私が好きな話があります。
宇城さんが小学生の時、市の作文コンクールで1等になり、
市役所に飾られたことがあるそうです。
しかし、その作文を読んだ宇城さんのお父様は
「そんな作文、早く市役所からはがしてこい!」と
すごい剣幕で怒鳴ったのでした。
何が逆鱗に触れたのかというと、
「朝霧がダイヤモンドのようにキラキラ輝いて、とてもきれいでした」
という一節です。
「お前は本物のダイヤモンドを見たことがあるのか!
見たこともないのに、見たように書くんじゃない!」
と怒られたのだそうです。
なかなか素晴らしい教育だと思います。
「自分で実感することでしか『分かる』ようにはならない」
ということを教え込まれていたことが、
後々に「身体脳」の活用を極めることに繋がったのではないかと思います。
宇城さんは、京都大学のアメフト部を指導してくださっていました。(私の卒業後) 100kg超の男の突進を跳ね返す映像がYoutubeでも見られのですが、
体感したものしかその本当の凄さはわかりません。(私も分からない)
ただ、 それは科学的に証明されようがされまいが存在しています。
では、このような高度な身体技術は
どのようにして継承していくと良いでしょうか?
また、この話はビジネスにはどのように応用できるでしょうか?
1つのキーワードは「余計な事を頭で考えなくする」ということです。
武道には「型」と言われる基本動作があります。
「型」を何万回と反復していく中で、体に記憶させ、
思考をしなくとも自然に動けるようにしていきます。
ビジネスにおいても問題解決の仕方
コミュニケーションの仕方など、
様々な型らしきものが世の中で活用されています。
本当に何かに囚われている自分を忘れることができるものであるならば、
それは型として継承していくと良いもののはずです。
逆に、「こうしなければいけない」と囚われてしまっているようであれば、
本来の目的は果たせていないという事です。
身近に存在する型を探求してみてはいかがでしょうか?